尿タンパクー原因

腎臓病

 尿タンパクの陽性の意味や, 尿タンパク陽性で来た人の対応はどうしているのかは別記事で書いた.

 ここでは主に機序について述べる. いろいろな報告があるが, 大きく分けて4つに分けられる.

部位機序特徴疾患名の一例
糸球体性高分子タンパクが通過・アルブミン尿主体
・尿タンパク>3g/日程度のことが多い
・足細胞の障害の影響が大きい
多くの腎炎, ネフローゼ症候群, 起立性, 運動性
尿細管性低分子タンパクの再吸収の低下・尿タンパク<3g/日のことが多い
・近位尿細管障害で主に出現
・非アルブミン主体の蛋白尿であるため, 尿定性陰性のことがある
近位尿細管障害, 急性尿細管性壊死, Dent病, 間質性腎炎
溢流性尿細管中のタンパク過多・多量の低分子タンパクが通過することで再吸収<濾過量となる発症骨髄腫の中で軽鎖の円柱腎症, ライソザイム由来(CMMLなど), 血管内溶血, 横紋筋融解症
腎後性炎症により周囲の血管からの漏出・直接障害の結果
・血尿を随伴しうる
結石, 感染, 腫瘍

 特筆すべきは下記2点である.

 ・尿細管性や溢流性蛋白尿では, 尿タンパク定性(-), 尿P/C比開大が認められうる.

 ・腎後性でも尿タンパク定性(+)になりうる.

 ことである。

 現在の一般的な検査のみでは, 明確に4つのうちいずれかに分けることは困難であるが, 頭の中は整理されるだろう.

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