CKDのマネジメントー全体像

慢性腎臓病

この4人の中で慢性腎臓病患者は誰でしょうか?

1. 60歳男性, 1ヶ月前から尿タンパク, eGFR 40

2. 21歳男性, 3ヶ月前から尿蛋白2+, eGFR 50

3. 60歳女性, 6ヶ月前からeGFR 30

4. 77歳女性, 4ヶ月前から尿蛋白3+, eGFR 70

 慢性腎臓病を同定し, 診断, 治療を行う目的は,

将来の心血管イベント発症の抑制 と 末期腎不全への進展の抑制

 にある.

 まずは正しく慢性腎臓病(CKD; Chonic Kidney Disease)を認識することが重要です.

 CKDと診断する要因は何でしょうか.

 存在 と 期間

存在:①腎障害(尿検査, 画像, 血液, 病理検査で明らか) or eGFR<60mL/分/1.73m2

期間:≧3ヶ月

 を満たす時です.

 よって上記4症例では, 2,3,4が該当することになります.

 腎障害の表記が曖昧であるが詳しく確認すると, 下記のいずれかを指します.

1.アルブミン尿

2.尿沈渣異常  円柱

3.尿細管異常  

4.病理結果  糸球体, 血管, 尿細管間質

5.画像診断  構造上の異常

6.腎移植歴あり

 これで目の前の患者がCKDかどうかを同定することができました.

 その次に行うことはステージングです.

まとめ

 CKD診療の目的は将来の心血管イベントの抑制と末期腎不全進展の予防です.

 CKDの診断には腎障害の存在と期間のいずれもが必要です.

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