COVID19ー総力戦

腎臓病

 日本にいて毎週木曜日といえば, NEJMの更新日である. 密かに楽しみにしている臨床医が多いと思う.

 いつもは, 医学の全ての分野を科学的に展開することが多い雑誌であるが, 今週のcase recordは少し趣きが異なった.

 1人のCOVID19患者の来院時からリハビリ施設まで転院していく臨床経過を, とにかく忠実に時間軸に沿って述べている.

 特に腎臓によりFocusを当てた視点で記載されている. また加えて様々な知恵, 職種に対しての考察までなされている.

 まさしく臨床に即した論文とはこのことだというお手本のような論文だと感じた.

中でも, いくつか気になるコメントがあった.

・COVID19患者の全体のうち6%程度が重症化する.

・AKIは2週間目に起こることが多く, 頻度は5-23%である.

・ACE2がヒトの腎臓にも発現しているため, ウイルスの直接障害をきたしている可能性があり, 6件の剖検例では重度の急性尿細管性壊死や炎症細胞浸潤を認めている.

・透析回路が閉塞しやすい印象がある. やはり凝固障害が病態に大きく絡んでいる可能性が高い. 全例に抗凝固療法を行うかは議論の余地がある.

・透析液流量, 血液流量の至適はまだわかっていない.

・資源には限りがあるという視点が必要である.

 さあ、総力戦

 医療に関わる全ての人に感謝

まとめ

・毎週木曜日といえば、NEJMの更新日

・ COVID19患者のAKIの自然経過を知る.

・新しい敵との戦いはまさに「総力戦」である.

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